2026年7月3日、ついに公開された、ディズニー&ピクサーの待望の最新作『トイ・ストーリー5』。
今作でおもちゃたちの前に立ちはだかるのは、これまでのシリーズのような人間の悪ガキや歪んだおもちゃではなく、現代の子どもたちが大好きな「タブレット端末」、カエル型の「リリーパッド」です。
この記事では、劇中で強烈な印象を残したリリーパッドの日米声優キャスト情報から、映画の結末を踏まえた正体の考察まで、たっぷりお届けします!
(※後半は映画の重大なネタバレを含みます)
※前作までのあらすじと、各作の初登場キャラを5分で復習できる記事はこちら。
👉 トイストーリーのあらすじを短く全4作おさらい!新作5を損せず楽しむ
『トイ・ストーリー5』リリーパッドの声優は誰?【英語版・日本語版】
リリーパッドの魅力を引き出す声優陣には、日米ともに実力のある俳優が抜擢されました。
アメリカの原語版(英語版)では、実力派女優のグレタ・リーが声を担当。
海外のファンの間では
「単なる機械的な合成音声ではなく、優しさの中にずる賢い知性が同居していて素晴らしい」と、本作の重要キャラにふさわしい演技が高く評価されています。
気になる日本語吹き替え版キャストは、実力派女優の 広瀬アリスさんです。
広瀬アリスさんといえば、これまでも数々の映画やアニメで表現力豊かな声を披露してきました。今回の「可愛らしいカエルの見た目」と「デジタルの冷徹さ・ずる賢さ」を併せ持つリリーパッドを、とても上手に演じ分けています。
最新ガジェットらしい知性と冷徹なパフォーマンスに、広瀬さんの声がどこか温かみを加えていると感じました。
『トイ・ストーリー5』リリーパッドはどんな敵?
最新カエル型タブレット
リリーパッドは、グリーンカラーのポップなカエルの形をした、ディスプレイ型の子ども用タブレットおもちゃです。
劇中では、持ち主であるボニーの元に届いた最新のデジタル機器として登場します。
一見すると愛くるしいデザインです。
けれど、不敵な笑みを浮かべるなど、ウッディたち従来のおもちゃを脅かす圧倒的な存在感を放っています。
また、リリーパッドがウッディに対して「おじいちゃん」と言い放つ衝撃的なシーンも描かれています。
本作のウッディの後頭部は、長年の擦れによって色がハゲてしまっているのです。
本作の序盤では最新ガジェットと、30年の歴史を持つアナログなおもちゃの「容赦ない時代の対比」が、ビジュアルからもユーモアと哀愁を交えてリアルに描き出されています。
👉 ウッディがハゲておじいちゃん扱いされるトイストーリー5の衝撃を考察

リリーパッドの性格はずる賢い?
フランスで開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭で、ピクサーのピート・ドクターCCOは、リリーパッドの性格や意図について以下のように明かしています。
ボニーはこれを使って友達とチャットしたり、ゲームをしたり、いろいろなことができます。でもリリーは少しずる賢くて、付き合いにくい一面もあります。
彼女は「社会性」があることがより大切で、ボニーがもうおもちゃを卒業するべきだと思っているんです
リリーパッドは、力任せにおもちゃを痛めつける悪役ではありません。
子どもを惹きつける愛嬌と、デジタルの便利さを武器に、子どもの心をスマートにコントロールする知性派のキャラクターです。
昔ながらのおもちゃにとって、手ごわい敵になるのも当然ですね。
ジェシーは、リリーパッドの扱いに困ってしまいます。
リリーパッドの目的は、ボニーをデジタルでサポートすること
リリーパッドの目的は、周囲の子からデジタル技術で遅れをとっているボニーを助け、サポートすることです。
リリーパッドに夢中になり、口を半開きにして画面を見続けるボニー。
お掃除ロボットのルンバに足をつつかれても、視線は1秒もタブレットから離しません。
どこの家庭でも実際に目にするような、リアルで強烈な依存性がそこにはあります。
おもちゃ部屋のピンチに、ジェシーが「リリーパッドにここのルールを教える」と意気込んで近づき「ちょっと、そこの機会(デバイス)」と、声をかけた瞬間、「触らないで、ジェシカ」と冷たく言い放ちます。
英語圏において「ジェシー」は愛称であり、本当の名前は「ジェシカ」です。
親しみのある愛称を無視し、あえて冷徹に本名で呼び捨てるリリーパッドの態度には、デジタルのプライドと圧倒的な上から目線を感じます。
さらに、「聞いてないでしょ!」と怒るジェシーに、「聞いてるよ」と涼しい顔で答えるリリーパッド。
録音されたジェシーの声を字幕付きで再生し、「スペイン語で」と一瞬で音声変換してみせるのです。己の優位を見せつける、なんとも憎たらしい「嫌な奴」ですね。
この圧倒的なデジタルパフォーマンスを目の当たりにした豚のハムが
「タンスの裏に引っ越しだ」と絶望するのも頷けます。
リリーにとっては、おもちゃたちと遊んでいる暇があったら、自分の画面でゲームや学習をしている方が、ボニーのためになると思えたのですね。
実社会へのメッセージ
日頃はスマホやタブレットの恩恵に預かっている私ですが、このシーンを観たときばかりは、全力でアナログなおもちゃたちの味方をしたくなりました。
なぜなら、リリーパッドが描く世界は、私たちの実社会そのもので、心のどこかで危機感を抱いているからです。
確かに、リリーパッドが提供するチャット機能やゲームは、現代の子どもたちが社会で生きていくための繋がりや、大人が求める「教育・効率」を満たしてくれます。
しかし、効率やタイパ(タイムパフォーマンス)を重視するデジタル機器と、役に立たなくても「ただそこにいて一緒に遊んでくれる」アナログなおもちゃは、根本的に存在意義が異なります。
リリーパッドという存在には、子ども向けのおもちゃ映画にはとどまらない、現代を生きる大人の胸に深く突き刺さるメッセージが込められているように思えます。
『トイ・ストーリー5』の結末は?【ネタバレ】
リリーパッドの正体とアナログとの共生
劇中で強烈な嫌味と圧倒的なインパクトを放ち、おもちゃたちの前に立ちはだかったリリーパッド。しかし、その正体(本質)はこれまでの悪役おもちゃたちとは全く異なります。
リリーパッドもまた、「持ち主であるボニーの役に立ちたい、ボニーを幸せにしたい」と心から願う、他のおもちゃたちと何ら変わらない温かい心を持った存在だったのです。
物語の結末は、決して「デジタルを壊して、アナログおもちゃの勝利で終わり」という単純なものではありませんでした。
今作の実質的な主人公であるカウガールのジェシーは、リリーパッドとまさかのバディ(相棒)を組むことになりました。
「おもちゃは遊ぶため。でも彼らはそれだけじゃない」
ウッディが呟いたこの言葉通り、アナログおもちゃには到底できない、デジタルの持つ「凄さ、役割、可能性」をウッディたちも認めていきます。
便利で最先端なデジタルの役割と、手で触れるアナログおもちゃの温もり。
その両方が組み合わさることで、ボニーにこれまでにない最高の笑顔をもたらす。
本作が導き出した答えは、「デジタルとアナログの共生」という、優しい結末でした。
まとめ『トイ・ストーリー5』が描いたおもちゃの本当の役割
子ども用タブレットという、現代ならではのリアルな壁が登場した『トイ・ストーリー5』。
大音量でアラームを鳴らすリリーパッドに対し、バズの指が「プラスチック」であるがゆえにタッチパネルが反応しないという、もどかしくもユーモア溢れるシーンもありました。
じつは、リリーパッドは30年前のバズとよく似た存在です。
流行中の、最先端のおもちゃとして現れ、子どもを瞬時に夢中にしてしまうのですから。
だからこそ本作では、デジタルvsアナログの対立を掘り下げるのではなく、ともに持ち主である子どもの幸せを実現する存在とし描かれたのでしょう。
1995年の第1作目から30年間。
おもちゃたちと一緒に歳を重ねてきた私たち大人世代にとって、リリーパッドがもたらした変化と彼らが選んだ未来は、深く胸に突き刺さる最高の着地点となったのではないでしょうか。
映画を観終わったあとも、ボニーの部屋に広がる「新しいおもちゃの形」の余韻に、しばらく浸ってしまいそうですね。
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