ジブリ映画『天空の城ラピュタ』に登場する空中海賊の首領・ドーラ。
強烈な個性が光る彼女ですが、自室に飾られた18歳の頃の肖像画を見て、驚いた方も多いのではないでしょうか。
そこには、ヒロインのシータにそっくりの可憐な美少女が描かれています。
ネットでも「ドーラの若い頃がシータに似すぎ」と度々話題になりますが、ドーラの公式設定は意外にも「50歳」。肖像画の頃から、わずか32年ほどしか経っていない計算になります。
「なぜ、これほどまでにドーラとシータは似ているの?」
「50歳にしては貫禄がありすぎる容貌の理由は?」
この記事では、18歳の肖像画に隠されたシータとの共通点や、50歳のドーラに施された演出の意図について深掘り解説。
1986年の劇場公開時に、本作を映画館で観たジブリファン歴40年超えの筆者が、スッキリと紐解きます。
天空の城ラピュタ|ドーラとシータは似ている?若い頃の肖像画を検証
空飛ぶ海賊ドーラ一家の本拠地は、空中母船「タイガーモス号」です。
その船内にあるドーラの私室には、一枚の肖像画が飾られています。
描かれているのは、18歳の頃のドーラ。
これが驚くほど、ヒロインのシータに似ているのです。
ふっくらした頬や、意志の強そうな瞳。
ピンクのリボンで結ばれた、長いおさげ髪。
劇中でドーラがシータに放った
「あたしの若い頃にそっくりだよ」というセリフ。
これは決して、冗談ではありません。
ナウシカにも通じる「王女の気高さ」
1986年の公開当時、大きなスクリーンでこの絵を観ました。
そのとき感じたのは、シータやナウシカと同じ「宮崎ヒロイン」の系譜です。
若きドーラの凛としたたたずまいには、王女のような気高さが宿っていました。
海賊とはいえ、一国一城を背負って立つ気位の高さは、王女と通じるものがあるのでしょう。
ラピュタの物語を追いながら、私はシータの姿をドーラに重ね、不思議な納得感を覚えたものです。
天空の城ラピュタ|50歳のドーラはなぜ激変?容貌に隠された宮崎駿演出の理由
ドーラの容姿がこれほど激変した最大の理由は、宮崎駿監督が彼女に『最強の老婆』という役割を託した(記号化した)からです。
50歳とは思えない「老婆」への記号化
ドーラの公式設定は、意外にも「50歳」。
肖像画の18歳から、わずか32年しか経っていません。
50歳といえば、現代ではまだまだ若々しい年齢です。
なぜ彼女は、魔女のような鉤鼻の老婆に描かれたのでしょうか。
ここには、宮崎駿監督ならではの「記号化」という意図が隠されていると読み解けます。
物語を引っ張るリーダーには、圧倒的な貫禄が必要です。
18歳の美貌を残したままでは、荒くれ者の息子たちを率いる海賊の首領として、物足りなかったのでしょう。
監督は、彼女に「最強の老婆」という見た目を与えたのです。
『紅の豚』ジーナの美貌と、50歳ドーラの差
ここで 思い出されるのは『紅の豚』に登場するマダム・ジーナです。
彼女の年齢は公表されていませんが、ポルコと同年代と推測すれば30代後半。
ジーナは中年であっても気高く、美しいヒロインとして描かれました。
一方で、わずか”一回りちょっと”しか違わないドーラは、もう「老婆に見える」扱いです。
あの鉤鼻や深いしわが、海賊として修羅場を潜り抜けてきた「年輪」の象徴なのはわかります。あえて老けさせることで、彼女のバイタリティを際立たせたのですね。
けれど、容姿の衰えをよしとする女性はいません。
ドーラは、宮崎監督による残酷な「記号化」の犠牲になったといえるでしょう。
天空の城ラピュタ|ドーラが捨てない「女の誇り」
容貌は激変しました。
でも、ドーラは女であることを一度も捨てていません。
あの鮮やかなピンクのリボン。
きらめく宝石への強い執着。
飛行石を「ほしいーーーーー」と叫ぶ乙女心。
これらは単なる強欲には見えません。
「女はいつだって美からエネルギーを得る」という、彼女の行動原理です。
美しさは、戦うための自家発電なのです。
だから、ドーラが自室に肖像画を飾り続けるのは、
過去を懐かしむというより、明日を生きるため。
「自分はこれほど美しく、強い女なのだ」
そう毎朝確認して、今を生きるエネルギーに変えているのです。
天空の城ラピュタ|パズーが守り通した「おばさん」の境界線
本作の主役、パズーとシータ。
彼らとドーラの関係性にも、深い敬意が隠されています。
老婆に見える容貌のドーラに向かって、
彼らは決して「おばあさん」とは呼びませんでした。
「おばさん」という呼び方。
ここには、対等な信頼関係が宿っています。
パズーは、ドーラの放つ圧倒的な「現役感」を見抜いていたのでしょう。
見た目が老婆でも、心は18歳の女海賊のままで生きている。
その生命力への敬意が、「おばさん」という言葉に込められているように思います。
ただし、本音を言えば、パズーには「ドーラさん」と呼んでほしかった。
そうしたら彼女、嬉しくて5歳は若返ったと思います。
まとめ|天空の城ラピュタは、ジブリ屈指の大団円
『天空の城ラピュタ』は、ジブリ作品の中でも一二を争う稀有な名作です。
悪役はしっかり退場し、主役たちは未来を掴む。
そして何より、ドーラ一家がちゃっかりお宝をゲットしている。
この完璧なハッピーエンドが、私たちの心を救います。
アラカンになった今こそ、ドーラの生き様が胸に響きます。
外見を「老婆」という記号に変えられても、魂は誰にも縛られない。
私たちもドーラのように、自分だけの「美」をエネルギーに変えていきましょう。
「40秒で支度」して、新しい冒険へ出かけたいものですね。
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『天空の城ラピュタ』は他のジブリ名作と比べても、その爽快感は群を抜いています。
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