ウィキッド映画トリビア7選 生歌・本物セット・キアラ・セトル出演ほか

洋画

映画『ウィキッド ふたりの魔女』は、物語を知っている人ほど、
裏側を知ることで何倍も楽しめる映画です。

実はこの作品、
・セットはほぼ実物
・歌唱シーンはすべて生歌
・キャスティングにも明確な思想
が込められていました。

観終わったあとに知ると、
「だから、あの場面が心に残ったのか」と腑に落ちる。
そんなトリビアをまとめました。

映画『ウィキッド』のセットは本物

『ウィキッド』の映像世界は、単なるスクリーン上の幻想ではありません。

冒頭に広がるチューリップ畑から、
シズ大学の壮麗な校舎、マンチキンランドの村、
エメラルドシティへ向かう列車まで。
これらはすべて、実際に作られたのです。

監督ジョン・M・チュウと美術チームは、
CGに頼らず「実物の空間」を徹底して造り込む道を選びました。

900万株のチューリップ畑

作品冒頭で主人公たちが駆け抜けるチューリップ畑もCGではありません。
約25エーカーの土地に、900万株もの本物のチューリップが植えられました。

花の色や咲くタイミングを計算しながら撮影を重ね、
理想のビジュアルを完成させたといいます。

私は初見では、ただ「きれいだな」と思っただけでした。
実物だと知ってから見返すと、色とりどりの花が並ぶ光景が、生き物のエネルギーを宿しているように感じられます。

村も道も、背景ではない

チューリップ畑の先にあるマッチキンランドや黄色いレンガ道も同様です。

ロンドン北西部イースト・バッキンガムシャーの農地を借り、
家々、石畳、泥の上に敷かれた黄色いレンガ道まで、
すべて実際に造形されました。

撮影所内では、
シズ大学やエメラルドシティの街並みも巨大セットとして構築。
俳優たちはその空間で、動き、歌い、呼吸しています。

数千人規模のスタッフ、
重量十数トンの列車、
手作りの大道具と小道具。
エキストラの存在が、背景の空気感をさらに豊かにしました。

撮影後、多くのセットは解体されましたが、
設計図や建材の一部は次の作品へと受け継がれています。

CG全盛の時代に、「本物の場」を用意したからこそ、
俳優たちの演技にも確かな手応えが生まれたのでしょう。

映画『ウィキッド』の歌唱シーンは、すべてその場で歌われた

もうひとつの大きな特徴が「本物の歌声」です。

『ウィキッド』では、
すべての歌唱シーンがスタジオ録音ではなく、
撮影現場での生歌として収録されました。

これはシンシア・エリヴォとアリアナ・グランデ自身の強い希望であり、
監督と音響チームが「演技と歌を切り離さない」ために選んだ手法です。

通常のミュージカル映画では、演技と歌は別録りされることが一般的です。

しかし本作では、
息遣い、感情、声の揺れがそのまま現場の空気と混ざり合います。
歌の合間の呼吸までが感情表現となり、
観客はより濃密な体験へと引き込まれます。

この手法は映画『レ・ミゼラブル』で注目されましたが、『ウィキッド』ではさらに進化。

俳優の耳にはガイド音源がイヤフォンで流され、
演技と歌を同時に収録する高度な体制が敷かれました。

キャストは、一度きりの歌声を、
その瞬間の感情ごと刻み込みます。

“生きたセット”と“生の歌声”が重なり合う『ウィキッド』の世界は、
キャラクターたちが確かに息づく場所として、
私たち観客に迫ってくるのだと感じました。

 

アリアナ・グランデは「指名」ではなく、オーディションを勝ち抜いた

グリンダ役のアリアナ・グランデは、世界的ポップスターでありながら、
映画版『ウィキッド』では通常のオーディションプロセスを経て選ばれています

アリアナは少女の頃からグリンダに憧れていたので、並々ならぬ気持ちでこの役に臨みました。

本人の証言によると、5回以上のオーディションで、ソプラノ域のコントロール、演技、カメラテストを段階的に受けたとのこと。

選考にあたって制作陣は、彼女の「スター性」ではなく、ミュージカルとして成立する技術と役への理解を重視したと明言しています。

観客が感じる
「歌が物語から浮かない」
「可愛いだけで終わらないグリンダ」
という印象は、この選考過程の成果ですね。

アリアナが演じるグリンダの完成度の高さは素晴らしいです。
彼女がオーディションを勝ち抜いてくれて本当によかったと思います。

 

映画『ウィキッド』で、シンシアとアリアナは「同等主演」

映画『ウィキッド』では、エルファバとグリンダのどちらも主役です。
これは物語上の演出だけでなく、契約面でも完全に同等主演として扱われています

一部で報じられたギャラ格差の噂について、制作側は「事実ではない」と公式に否定。

そもそも本作は、
「善と悪」「光と影」「正義と悪意」
といった単純な二分法を問い直す物語です。

主演に序列をつけないこと自体が、作品テーマの体現になっているのです。

実際、エルファバとグリンダは正反対に見えて惹かれあう、磁石のNとSのような関係です。
同等主演は、もっともな対応だと思います。

ネッサローズ役に、実際に車椅子を使用する俳優を起用

ネッサローズを演じるマリッサ・ボーディは、
実生活でも車椅子を使用する俳優で、本作が映画デビュー作です。

11歳で交通事故に遭い、下半身不随の車椅子生活になりました。
車椅子であっても、俳優になりたいという夢を諦めず、オーディションを勝ち抜いてネッサローズ役をつかみました。

舞台版『ウィキッド』では長年、健常の俳優がネッサローズを演じ、
2幕目に、魔法の力で車椅子から立ち上がる演出が主流です。

映画版ではこの前提を見直し、
役の設定と俳優本人の身体性を一致させるキャスティングを採用しました。

これは単なる多様性配慮ではなく、
ネッサローズの感情や選択に「現実の重み」を与えるための制作判断でした。

その意図は大成功。
彼女を見ていると、ネッサローズの自立したいという意思に加え、孤独や屈折の感情が自然に伝わってきます。

こちらの記事では、マリッサの詳細と、ネッサローズとエルファバ、グリンダの3人の在り方から『ウィキッド』を新しい視点で考察しています。
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舞台版『ウィキッド』オリジナルキャストがカメオ出演

映画『ウィキッド ふたりの魔女』には、
ブロードウェイで初演を演じた2人の魔女が、カメオ出演しています。

・イディナ・メンゼル(初代エルファバ、『アナと雪の女王』のエルサ役でも有名)
・クリスティン・チェノウェス(初代グリンダ)

エメラルドシティへ到着したエルファバとグリンダに、オズの国の歴史を物語る劇中劇「Wizomania(魔法マニア)」に登場します。

歌いながら楽しそうに魔女役を演じる2人は、じつにキュートです。
往年の舞台版を知るファンにとっては感激の瞬間ですね。

一方で、初見の観客にとっては
「物語の流れを邪魔しない自然な登場」
ですから、存在感はあっても違和感はありません。

舞台と映画をつなぐ粋な橋渡しだと思います。

『グレイテスト・ショーマン』のひげ女、キアラ・セトルが出演している

映画『ウィキッド ふたりの魔女』には、
『グレイテスト・ショーマン』で〈ひげ女レティ〉を演じた
キアラ・セトルが出演しています。

彼女が演じるのは、シズ大学の「寮長」。
注目すべきは、キャスティングの象徴性です。

『グレイテスト・ショーマン』では
「差別される側」「周縁に追いやられた存在」
として描かれた彼女が、

本作では体制の内側に立つ人物として配置され、ディラモント教授の追放を進めます。

これは偶然ではなく、
「立場が変われば、人は差別する側にもなり得る」
という『ウィキッド』の核心テーマと響き合うキャスティングに思えます。

この構造に気づくと、
魔法の物語は、私たち自身の物語へといつの間にか反転します。

差別や偏見、誰かを下に見て優越感に浸ることはないかと。

だからこそ『ウィキッド』は、何度でも観返したくなるのです。

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