映画ウィキッド ふたりの魔女 キャスト紹介!ネッサローズ役は誰?作品への影響

ミュージカル

映画『ウィキッド ふたりの魔女』は、
エルファバとグリンダ、そしてフィエロの関係性が注目されがちな作品です。
一方で本作では、キャストの選び方そのものが、物語の主題と深く結びついています。

とくにネッサローズ役には、
実際に車椅子を使用する俳優が起用されています。
このキャスティングは、物語設定にとどまらず、
『ウィキッド』が表現において何を重視している作品なのかを示すものです。

この記事では、
エルファバ、グリンダ、ネッサローズの3人に焦点を当て、
それぞれの役柄と俳優の経歴、作品に与える影響を整理します。

作品をより立体的に理解するための、助けになれば幸いです。

 

映画『ウィキッド ふたりの魔女』キャスト紹介①作品への影響

エルファバ(シンシア・エリヴォ)

生まれつき緑色の肌を持ち、周囲から距離を置かれながら育った少女、エルファバ。
頭脳明晰で強い正義感を持ちながらも、その力ゆえに誤解され、やがて「悪い魔女」と呼ばれる運命を引き受けていく人物です。

演じるシンシア・エリヴォは、舞台と映画の両方で高く評価されてきた俳優です。
ブロードウェイミュージカル『カラーパープル』でトニー賞主演女優賞を受賞し、映画『ハリエット』ではアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、確かな実力を積み重ねてきました。

シンシア=エルファバは、才能・努力・表現力の三拍子がそろった存在

何といっても、この作品は彼女の歌唱力に負うところが大きい!

パート1「ふたりの魔女」のクライマックスで歌われる「Defying Gravity」(重力に逆らって)で大空に飛び立つシーンは圧巻です。
「そうこなくっちゃ」と納得できる歌唱力。物語の流れや感情の高まりと完全に重なり合い、観る側を一気に引き込む力がありました。
この場面でシンシアは、ワイヤーで宙吊りになりながら、生歌で演じています。その状態でも難なく歌えるように、彼女は毎朝ランニングマシンで走りながら歌う練習をしていたと、インタビューで明かしています。
彼女はそれを、特別な苦労話としてではなく、当然のことのように淡々と語っているのです。
その姿勢に、プロフェッショナルとしての覚悟と誇りを感じました。

そんなシンシアの努力の裏付けがあるからこそ、重力にも負けないエルファバの”強さ”に説得力が生まれたのだと思います。

けれど彼女の魅力は、それだけではありません。
反発していたグリンダに少しずつ心を開いていく場面や、フィエロへの想いに自分自身が戸惑うふとした表情に、強さの裏にある繊細さ、迷い、そして女性らしさがにじみ出ていました。
その一瞬一瞬がとても人間的で、だからこそエルファバという人物が立体的に感じられたのだと思います。


グリンダ(アリアナ・グランデ)

美しく社交的で、愛される存在であることを何より大切にする少女。
エルファバとは正反対の価値観を持ちながら、友情と自己保身の狭間で揺れ動きます。

アリアナ・グランデは、複数回のグラミー賞受賞歴を持つ世界的ポップスター。
一方で、キャリアの原点はブロードウェイミュージカル『13』であり、
本作ではその原点に立ち返るかたちで、本格的なミュージカル演技と歌唱を披露しています。
「かわいい役」に留まらない、繊細な人物造形が注目されています。

アリアナ=グリンダは、愛嬌・欠落・努力が響き合う存在

グリンダを演じたアリアナ・グランデについて、まず感じたのは、この役の難しさでした。
お金持ちで、美人で、人気者。少し描き方を誤れば、鼻につく嫌味なキャラクターになりかねない存在です。
それをアリアナは、不思議とどこか憎めない人物として成立させていました。計算ではなく、愛らしさが先に立つ。そのバランス感覚が、グリンダという役を救っていたように思います。

一見すると、すべてを持っているように見えるグリンダ。
けれど彼女には、決定的に欠けているものがあります。魔法の才能です。
だからこそ、エルファバから杖をもらったときの、あの無邪気なまでの大喜びが胸に残りました。

「Popular」を歌いながら、
“自分にもできるはず”と信じて、何度も何度もエルファバに向かって杖を振り続ける姿。
あれは単なるコメディではなく、グリンダという人物の核心を象徴する場面だったと思います。

人は、すでに手にしているものよりも、
どうしても手に入らないものに強く惹かれてしまう。
グリンダの軽やかな笑顔の奥には、そんな人間らしい渇きが、確かに息づいていました。

アリアナは10歳の時に「ウィキッド」のショーを観て、グリンダ役に憧れを抱きました。そんな幼い日の自分への愛をこめて、本作の映画クレジットには当時の本名「アリアナ・グランデ=ブテラ」と記してます。

また、アリアナは本作のためだけに、ポップスとは違うオペラのコロラトゥーラという歌唱法もマスターしました。この努力が、グリンダという人気者の美しい歌声に説得力を持たせています。
少女時代の憧れを自分のものにしたアリアナも、人並み外れた努力と才能の人でした。

アリアナが演じるグリンダの魅力は、彼女がこの役を心から愛しているからこそ生まれたものだと思います。


ネッサローズ(マリッサ・ボーディ)

エルファバの妹で、生まれつき足が不自由。
父から深い愛と庇護を受けて育ったことで、姉とは異なる孤独と依存を抱えるようになります。

演じるマリッサ・ボーディは、米ウィスコンシン州生まれの24歳。
実際に車椅子を使用する俳優で、本作が映画デビュー作です。

マリッサ=ネッサローズは、弱さ・選択・祈りが重なり合う存在

ネッサローズは、物語の中で決して声の大きい人物ではありません。
けれど、その静けさこそが、強い印象を残します。

車椅子で生きる妹として、エルファバに守られる立場にありながら、
彼女は常に「自分の人生を生きたい」と願っている。
その思いが、優しさにも、依存にも、そして後の歪みへもつながっていきます。

このネッサローズを演じたマリッサ・ボーディは、
11歳のときに交通事故で下半身不随となり、車椅子での生活を続けてきた俳優です。
それでも彼女は、子どもの頃から続けてきた演劇の道を手放しませんでした。
「スクリーンの中に、自分と同じ立場の人がほとんどいなかった」
その違和感と痛みを抱えたまま、彼女はこの役のオーディションに臨んでいます。

だからこそ、ネッサローズの感情には、作り物ではない重さがあります。
守られることへの安堵と、自由になれない苛立ち。
愛されたいという切実な願いと、それが叶わないときの孤独。
マリッサの演技は、それらを声高に語らず、表情や間で伝えてきます。

「ダンシング・スルー・ライフ」で描かれる、ボックとのダンスも印象的でした。
車椅子を前提にした振付は、制限ではなく表現として機能し、
ネッサローズの恋心を、言葉以上に雄弁に語っています。

この役が、マリッサにとって初めての大規模な映画作品であることも象徴的です。
制作側は彼女のために車椅子対応の環境を整え、
「できない理由」ではなく「どうすればできるか」を選びました。

ネッサローズは、弱さを抱えたまま選択し、
その選択がやがて物語を大きく動かしていく人物です。
マリッサが演じたからこそ、その弱さは哀れさではなく、
私たち自身にもつながる、人間的な祈りとして胸に残りました。

人はそれぞれ違う条件で、生き方を選んでいる

映画『ウィキッド』は、
善と悪の立場が入れ替わる物語や、壮大な世界観が語られることの多い作品です。

けれど、エルファバ、グリンダ、ネッサローズという3人の女性に目を向けると、
もうひとつの静かなテーマが浮かび上がってきます。

それは、人はそれぞれ違う条件のもとで、生き方を選んでいるということ。

才能と努力を武器に、
孤独を引き受けながら信念を貫こうとするエルファバ

欠けているものに憧れ、
愛される居場所を探し続けるグリンダ

弱さを抱えたまま、
「守られる側」でいることから抜け出そうとするネッサローズ

誰が正しくて、誰が間違っているのか。
『ウィキッド』は、その答えをはっきりとは示しません。

代わりに、観る者にそっと問いを差し出します。

もし自分が、この立場だったら。
同じ選択ができただろうか。

3人を演じた俳優たちは、それぞれの役に、
自分自身の経験や時間、積み重ねてきた努力を重ねています。
だからこそ彼女たちは、
矛盾や迷いを抱えた「生きた人間」として、観る側の心に残るのでしょう。

映画『ウィキッド』は、
誰か一人を正解として示す作品ではありません。

観るたびに、
心が寄り添う人物が変わる。
その変化は、
観る側が人生を重ねてきた証でもあります。

私たち自身を写す鏡のように、その時々で違う選択が心に響き、
新しい視点が得られるのだと思います。

映画『ウィキッド ふたりの魔女』キャスト紹介②

フィエロ(ジョナサン・ベイリー)

享楽的で自由奔放な王子として登場しますが、内面には鋭い洞察力と誠実さを秘めています。
エルファバとの出会いを通して、価値観と生き方が大きく変化していきます。

演じるジョナサン・ベイリーは、イギリス出身の俳優です。Netflixドラマ『ブリジャートン家』で世界的にブレイク。
舞台俳優としても高く評価されており、ローレンス・オリヴィエ賞(英国演劇界の最高峰)受賞歴を持つ実力派です。

享楽的で軽薄に見える登場人物を演じつつ、観客に「この人は変わる」と予感させる知性を滲ませられる点が評価され、フィエロ役に起用されました。「ただのチャラい王子で終わらない」と直感的に伝わってくるので、エルファバが恋心を抱く流れも自然に思えました。

マダム・モリブル(ミシェル・ヨー)

シズ大学の魔法学部長で、エルファバの才能を見抜く権威的な人物。
秩序と体制を守るためには手段を選ばない姿勢が、物語に深い歪みを生み出します。

ミシェル・ヨーは、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアジア人女性初となるアカデミー主演女優賞を受賞
アクション、ドラマ、知性と威厳を併せ持つ稀有な俳優です。
本作では“優雅さの裏に潜む冷酷さ”を体現しています。

オズの魔法使い(ジェフ・ゴールドブラム)

人々を魅了する話術とカリスマ性を持つ、オズの国の支配者。
しかしその正体は、理想と虚構のあわいに立つ存在です。

演じるジェフ・ゴールドブラムは、『ジュラシック・パーク』シリーズや『インデペンデンス・デイ』などで知られる名優。
近年は『マイティ・ソー バトルロイヤル』などで、ユーモアと不気味さを併せ持つ人物像を確立しており、“魅力的だが信用できない男”というオズの魔法使い像に、抜群の説得力を与えています。

ボック(イーサン・スレイター)

素朴で誠実、報われない恋心を抱える青年。
小さな選択の積み重ねが、後に大きな運命の分岐点となっていきます。

イーサン・スレイターは、ブロードウェイミュージカル『スポンジ・ボブ』で主演を務め、トニー賞主演男優賞にノミネートされた実力派。
高い歌唱力と身体表現に定評があり、ボックという“脇役でありながら物語の要”となる役に、繊細な人間味を与えています。

 

【関連記事】映画『ウィキッドふたりの魔女』がもっと楽しくなる

映画ウィキッド、あらすじで即わかる「ふたりの魔女」の見どころ。善と悪は誰が決める?

映画ウィキッド、あらすじで即わかる「ふたりの魔女」の見どころ。善と悪は誰が決める?
映画『ウィキッド ふたりの魔女』をあらすじでやさしく解説。「善い魔女」「悪い魔女」は誰が決めたのか。基本情報と物語の見どころを整理し、初見の予習にも観賞後の理解にも役立つ一記事です。

 

ウィキッドが7倍楽しくなるトリビア|生歌、本物セット、キアラ・セトル出演

ウィキッド映画トリビア7選 生歌・本物セット・キアラ・セトル出演ほか
映画『ウィキッド ふたりの魔女』が何倍も楽しくなるトリビア集。実物セットで撮影されたチューリップ畑や生歌収録の裏側、アリアナ・グランデのオーディション秘話、象徴的キャスティングまで丁寧に解説。

 

ウィキッド 吹き替え版はひどい?字幕版と比較して分かった違和感の正体

ウィキッド 吹き替え版はひどい?字幕版と比較して分かった違和感の正体
映画『ウィキッド ふたりの魔女』吹き替え版に違和感を覚える人がいるのはなぜか。字幕版との役割の違い、生歌収録が与える印象差、評価が分かれるポイントを整理し、自分に合う鑑賞方法を考えます。

 

映画ウィキッド ふたりの魔女の日本人キャスト、高畑充希ほか豪華声優陣を徹底解説

映画ウィキッド ふたりの魔女の日本人キャスト、高畑充希ほか豪華声優陣を徹底解説
映画『ウィキッド ふたりの魔女』日本語吹替版キャストを徹底解説。高畑充希をはじめとする豪華声優陣の役どころや経歴を、公式情報をもとに整理。続編公開前の予習にも最適です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました